頂-ITADAKI-主催者小野晃義さんインタビュー
2017年6月3日、4日におこなわれた野外フェス、頂-ITADAKI-の主催者である小野晃義さんに、頂-ITADAKI-に出店している父の店ONE BLOODで関わるスタッフ、ダギリがインタビューをさせていただきました。
もくじ
何年もかけて仕掛けをばらまく
ダ:今回インタビューの時間を作っていただきありがとうございます。
それではよろしくお願いします。
まず企画自体の流れとか、フェス当日までの準備期間なんですが、いつ頃から取り組まれているんですか?
やっぱり1年がかりでやっておられるんですか?
小:いや、もう1年がかりというよりも何年もかけてやってるというか。
ダ:何年後、何年後というのを事前にという感じでしょうか。
今も現時点で来年とか再来年の企画とかもされいるってことですかね?
小:ある意味そうだね。
やっぱり、どこでどんな音楽と出会ったりどんな人と出会ったりとかで、どこで繋がるかわからないからね。
ちょっと一見無駄に見えることもずっとやってるというか。
例えばブッキングだったりしたら、うちでは早くて1年前とかかな。
ダ:そうなんですね。
では今やってる今後の準備とか、他にはどういったことをされてたりするんですか?
小:まあ色々仕掛けをばらまいているというか。
ダ:頂ってフェスの中でも色々特殊な感じがするというか、他のフェスに比べて色んなことをされてますよね。
例えばでいいので、新しい企画だったりとか今の現時点で教えていただけることとかってありますか?
小:まぁ一応今年で10年なんで、もし来年もあるとしたら、いい意味でリフレッシュして新しい形で提案できたらいいなって思ってはいるけどね。
向こうがいいよって言うまで続けようかな
ダ:LOVE FOR THE FUTUER(ラブ・フォー・ザ・フューチャー)に関して色々サイトとかでも発表してるんですけど、元々どういった経緯ですることになったんですか?
小:本当はねっていうのはおかしいけど、最初は子どもたちがいっぱい来て欲しいっていうのと、その子どもたちのために子どもを舞台にあげようとかそういうことから始まって、そしたらいきなり地震がきちゃって。
それでそれもやりつつ、なんかできることないかなって思った時に、東北に対してとか被災者に対してなんか……。
かわいそうな子どもがいっぱいいるから、なんかできないかなって思って、今もそのままずっと続けてるんだけど。
ダ:では東北の復興支援が企画の重きになっているという感じでしょうか。
小:今なってるね。
それもたまたま仲良くなった人が、今現在一生懸命やってるから俺たちもその人たちに引っ張られて協力しているというか。
やっぱね、あれって終わっていくもんだったり、徐々にみんな段階があってスタンスがあるんだと思うんだよね。
ダ:正直な所、年数が経つにつれて忘れていくということもありますもんね。
小:そうだね。
ダ:まあ、こう言ったらなんですけど。
「頂だけは忘れない」というかそういうふうに続けるという気持ちがあってという感じなんですかね。
小:明日は我が身だしね。
静岡なんて特に。
ダ:静岡も東海地震が来るって何年も言われてますしね。
小:そうだね。
東北にいるそういうおばさんに会ったりそういうことを繰り返していると、やっぱり情というか気持ちもすごい入っているし。
その人たちが普通の生活ができるようになるまではやっていこうかなって。
ダ:続けるのは本当に難しいことだし、素晴らしいことだと思います。
小:向こうがいいよって言うまで続けようかなっていうスタンスでやってるんだけど。
ダ:他にもおこなっていることといえば、廃油の回収や募金とかされたりしていますよね。
現物でシェアしていることもあったりするんでしょうか。
小:いや現物というよりも、向こうの人たちにアクリルたわしを作ってもらったり。
それを作るのにもお金がかかるから、そうなるために俺たちが金銭的支援をしているというか。
ダ:なるほどなるほど。
小:なんか売り物とかそういうものも、頂としては利益を取らずにLOVE FOR THE FUTUERに関したものの全ての利益は向こうに渡すという気持ちでやっていて。
スタッフもみんなも集まってるし、ずっと続けてくれてるんで。
そういう形で支援してるんだけど。
ダ:そうなんですね。
ミュージシャンよりなにより、スタッフが一番大事
ダ:イベントとして色んなスタッフさんがいると思うんですけど、特にボランティアスタッフのことをお聞きしたいのですが。
スタッフをボランティアって形で補ったりしているっていうのもあるじゃないですか?
そういう理念であったりとか、当日のスタッフの動きとか色々お話聞かせ願いたいんですが。
小:まぁいくつかのポジションに分かれていて、わかりやすくいうと10ぐらいかな?
駐車場の整理だったり入場ゲートだったり、頂だったらリユースカップを洗ったり、ゴミを拾ったり。
だからそういう10個ぐらいのグループに分かれていて、各リーダーに古いボランティアスタッフがいてそういう人たちが先頭になってずっと続けていってくれてるんだけど。
でもまぁ6割ぐらいは同じ人かな。
頂のボランティアは毎年ずっと。
ダ:去年に続いてという、リピーターが多いってことですね。
小:そうだね、10年ずっと来てくれてる人もいっぱいいるし。
ダ:繋がりが強いという感じですね。
小:繋がりのみでやってる感じだよね。
LOVE FOR THE FUTUERもそうだし、ミュージシャンの人たちもなんやかんやで繋がった人たちで、
なんかかんやでこう続いてる人たちを大事に思ってるかな。
ダ:だいたいボランティアスタッフの方々っていうのは、いつ頃から動き出されるんですか?
小:んーとね、リーダーが半年ぐらい前かな。
例えば、今年が終わりました、そしたらそのあと結構みんなで考えるんだよね。
あれはこうだっだ、来年はこうしようとか。
それで一旦まとめてから少しブレイクして、半年前ぐらいに集まって年末ぐらいかな頂の場合は。
6月ぐらいにやるから12月ぐらいに集まって、もっかいそこを復習して今年はこうやっていこう、去年とはここをこう変えてここに力を入れようみたいな。
ダ:半年前からの動きっていうのを、その辺からずっとやっていく感じなんですかね?
小:まぁ飲み仲間だったり音楽仲間だったりっていうのが多いし、普段も付き合ってるからその時だけじゃなくて普段も繋がってるかな。
ボランティアスタッフとか誕生日に全部メッセージしてると思うし。
やっぱそこだけでやってたらここまでこれないよね。
ダ:やっぱり繋がりというのを大事に大事にって感じじゃないと続いていかないですもんね。
小:そうそう。
やっぱりみんな子ども生まれて来なくなったりさ、転勤なったりとかさ、仕事がどうこうとか色々あるじゃん。
だから全員が来れるわけじゃないから。
そういうのを続けていくと、2年休んだけどまた来てくれたりとか。
そうやって続いてるかな。
うち、どこよりも仲良くやってると思うよ。
ボランティアスタッフとかが大事にされてるって思ってくれないと、なんか俺たち利用されてるなぁって思われたら続かないし。
ダ:そうですよね、そんな風に思われてるってなったら手伝う気持ちもなくなりますしね。
小:もちろんそんな気持ちさらさらないし、大事にしようと思ってる。
ミュージシャンよりなにより、スタッフが一番大事。
ダ:6割ぐらいは継続しているのはお話からよくわかるんですけど、新しいスタッフさんとかもやっぱり応募とかは多いんですか?
小:来るね。
18歳とか20歳とか、若い子とかもいっぱい来るし。
それがすごいいいと思ってて。
やっぱり新しい人も来ないと、ね。
盛り上がらないし。
来てわかってる人たちがいて、みんなそこに持っていってくれるというか。
そういう感じかな。
ダ:そういう所でいえば、今年から来るとか来年から来るとか。
頂に参加したいっていうのであれば、応募方法とかHPにありますよね。
そういう方は一週間前ぐらいから動き出すんですか?
小:ボランティア?
ダ:そうです。
小:最長で8日ぐらい前からやり出すから、そこからくるスタッフもいるし。
そこから徐々に徐々に集まってくる感じかな。
ダ:だいたい8日ぐらい前から設営とかやりだしますもんね。
小:それこそ僕らは駐車場もないところからキャンプ場のライン引くとことか色々やってるけど。
そういう所からみんなで一斉にスタートしてって感じかな。
ある意味チューニングなんだよ、本番までの。
別にもっとちゃんとやればちゃんとできちゃうんだけど、それをやりながらどんどん仲間が増えていって、やってる感が出てくるというか。
準備ができてくるというか。
いきなりできないじゃん、ね。
ダ:普段は聞けないような珍しいお話たくさんありがとうございます。
それでは次の内容なんですけれど。
ここが他のフェスとは違うとか、頂のウリみたいな所ってどんな所なんでしょうか。
小:サービス精神だと思うよ。
来てくれる人は色んなフェス、パーティがある中で選んできてくれてるわけだし、時間作ってお金払ってきてくれてるっていうのは本当うれしいし。
その人たちを喜ばそうっていう気持ちと迎え入れる気持ちで迎えるっていうのがやっぱ、なんていうのかな。
金払って集めたスタッフじゃ、あぁはならないっていうね。
やっぱ金とかじゃなくてハートでやってくれる人が本当たくさんいて、そういう所に影響されて俺たちもそうなってるんじゃないかなって。
そこは絶対的に自信はある。
ダ:スタッフさんの絆の強さが一番ってことですね。