MusicFes@RAG
音楽フェスをもっと楽しむWebマガジン
menusearch

がん闘病「震災伝える」僕の使命。COMIN’KOBE(カミングコウベ)を立ち上げた松原裕さん

2019年4月4日、腎細胞癌のため松原裕さんはお亡くなりになられました。

この記事は、松原裕さん生前のときにわたくしが公開した記事です。

さまざまなところで本当にお世話になりました。

ミュージシャンをサポートし続ける精神をしっかり引き継ぎたいと思います。

この場をお借りして今一度ご冥福をお祈りいたします。(編集長 中尾きんや)

毎年ゴールデンウィークになると開催されているCOMIN’KOBE(カミングコウベ)、その舞台裏で取り仕切っておられた松原裕さんに注目してみたいと思います。

COMIN’KOBEの主催者の松原さんって?

カミングコウベ

https://readyfor.jp/interview/comin

毎年ゴールデンウィークの時期になると神戸で開催される、COMIN’KOBE(カミングコウベ)。

COMIN’KOBEオフィシャルウェブサイト

1995年に起きた阪神・淡路大震災の復興支援に対する、被災地からの恩返しとしてテーマを掲げられ、2005年から「GOING KOBE(ゴーイングコウベ)」として、2010年からは改名してカミングコウベとして再スタートをしました。

そこに賛同し出演しているアーティストは100組以上、毎年全国から多くの観客が押し寄せ、来場者数約4万人を超える日本最大級の無料チャリティーフェスとなっています。

そのCOMIN’KOBEを主宰している一般社団法人COMIN’KOBE実行委員会 理事長を務めるのは、株式会社パインフィールズの代表取締役社長の松原裕さんです。

1979年6月15日神戸育ちの神戸生まれ

神戸に根っこをはって生活中。

・株式会社パインフィールズ代表取締役

・一般社団法人COMIN’KOBE実行委員会 理事長

・KissFM KOBE番組審議委員

・学校法人中内学園 流通科学大学 特別講師

・平成25年度神戸市文化奨励賞 受賞

代表取締役 松原裕

株式会社パインフィールズと言えば、ライブハウスmusic zoo KOBE 太陽と虎を運営されていたり、ROTTENGRAFFTYSABOTENのマネージメントも担当されていたり、その他レーベル事業やレコーディングスタジオ運営など…関西のみならず全国の音楽シーンを牽引している会社です。

以前は、神戸のライブハウスのスタークラブ店長を担当されていたときもありました。

ツアーファイナルは神戸「太陽と虎」!「スタークラブ」元店長の松原裕が一念発起して作り上げたライブハウス。

めちゃくちゃ楽しみに会場来たら、スタークラブの目と鼻の先やった。喧嘩売ってんな(笑)

does ブログ

神戸の若手バンドから、ベテランバンドまでを牽引し取り仕切る松原さんが、COMIN’KOBEを始められたきっかけは一体なんだったのでしょうか。

わたくしも、COMIN’KOBEには過去何度か行ったことがあるのですが、その経緯は知らず個人的に興味があったので、調べてみました。

COMIN’KOBE(カミングコウベ)にかける思い

カミングコウベの前身のフェス、ゴーイングコウベを初開催されたのは2005年のこと。

当時から復興支援をテーマを持ち開催されていましたが、阪神・淡路大震災からは10年の月日が経っていました。

松原さんも中学校3年生のときに震災を経験しましたが、ご本人を含めご家族も無事で、直接被害の大きさを実感することが正直あまりなかったようです。

大変なことになっているのはもちろん分かっていたけれど、食べ物は両親が用意してくれたし、お金を稼いでいたわけでもないから、仕事の心配もない。

実際の自分の被害とは感じていなかったんですね。

4万人が集まる復興支援音楽フェス「COMIN’KOBE」に込められた復興への思い。COMIN’KOBE実行委員長 松原裕さん

そんな松原さんが、高校を卒業したしたての3年後のこと。

当時結成されていたバンドで全国ツアーに回った際、周囲からの「震災の時は大丈夫だった?」などの反応に戸惑いがあったようです。

ツアーバンドが出演する場合、ライブハウスのスケジュールには“バンド名(from神戸)”と、活動拠点の地名が記載されるのが通例です。

するとそれを見たお客さんから「地震、大丈夫でしたか?」と次々に話しかけられたのだそうです。

なかには差し入れをくれたり、驚くほど心配してくれる人もいました。

4万人が集まる復興支援音楽フェス「COMIN’KOBE」に込められた復興への思い。COMIN’KOBE実行委員長 松原裕さん

「あのとき自分は守られていたんだ」

全国各地の気にかける思いを直接体感し、震災のことに向き合うきっかけとされたみたいです。

とにかくたくさんの人にお世話になった7日間でした。

僕は、こういうふうに見てもらっているんだと分かって、ラッキーなんて言っていた自分がすごく情けなくなってしまったんです。ほんまにあのときの自分はバカだったなぁってめちゃくちゃ反省しました。

4万人が集まる復興支援音楽フェス「COMIN’KOBE」に込められた復興への思い。COMIN’KOBE実行委員長 松原裕さん

2003年、神戸出身のバンド ガガガSPが長田駅前で開催した復興チャリティイベントに、刺激を受けた松原さんは「僕ができるのはこういうことなんじゃないか」「音楽を通じて若い世代が震災を考えるきっかけになれば」と考え、付き合いのあるバンドに出演依頼し、2005年にCOMIN’KOBE(カミングコウベ)の前身となる第一回目となるライブイベント、GOING KOBE(ゴーイングコウベ)を開催しました。

“神戸からありがとうを伝えよう”“震災を風化させずに伝えよう”というふたつの趣旨のもと、第1回目は全7ステージ、約1万人を動員します。

4万人が集まる復興支援音楽フェス「COMIN’KOBE」に込められた復興への思い。COMIN’KOBE実行委員長 松原裕さん

その後、規模がでかくなっていき、2010年からはCOMIN’KOBE(カミングコウベ)として再スタートをきります。

当日の会場では学生やボランティアスタッフも参加し運営され「入場料無料で開催!」にこだわり、運営資金を得るために自らスポンサーを募りながらも、イベント当日に会場で集まった募金は、被災後に学生の為に使うお金が無く困窮されている小中高学校をはじめ、被災された企業や団体に寄付されています。

参考:COMIN’KOBE募金先のお知らせ «  COMIN’KOBE13

毎年フラフラになって、来年こそはやめると必ず手帳に書きます(笑)。

でも人間って忘却の生き物ですから、終わったら忘れてね。

気づいたらまた、来年の「COMIN’ KOBE」の準備をしていて、今、すでにだんだんしんどくなってきています(笑)。

4万人が集まる復興支援音楽フェス「COMIN’KOBE」に込められた復興への思い。COMIN’KOBE実行委員長 松原裕さん

僕が見る限り、昔に比べて1.17に報道される阪神淡路大震災のニュースが確実に少なくなったなと思って。

神戸市の東遊園地で毎年“1.17の集い”というイベントがあるんですけど、ちょっと集まる人が減ったかなという感じがしましたね。

“COMIN’KOBE”を始める前から思っていたんですけど、行政やメディアには出来ないような震災に対する向き合い方が、このイベントで表現できたらいいなと考えているんです。

COMIN’KOBE | JUNGLE☆LIFE 

COMIN’KOBE’16 直前には腎臓がんが発見

2016年の4月に入ってから、突然の腎臓がんの告白。

COMIN’KOBE’16の約1ヶ月前には、腎臓の摘出手術を行なわれました。

「私、松原裕は3週間ほど前に腎臓がんである事が発覚しました!

しかも最悪な事に5年生存率10%というステージ4でした。という事で急遽4月8日に腎臓の摘出手術を行う事になりました!

順調にいけば10日ほどで退院出来るそうでCOMIN’KOBEは無事行う事が出来そうです!」と自身の病状とともに、イベントへの意欲を気丈につづっている。

COMIN’KOBE、松原氏がん告白/芸能/デイリースポーツ online

イベントが進行している、現在も安静な状態を余儀なくされています。

MUNA SEAのボーカリストとしての活躍も

松原さんは、LUNA SEAのエアコピーバンド!?MUNA SEAで月光名義でも活躍!?されていました。

最後に

COMIN’KOBEは入場無料のイベントなので、それが故に運営が一筋縄でいかないことも理解ができます。

そのような環境でも、出演しているミュージシャンや会場にいるお客さんを雰囲気を見ていると、松原さんの前向きな思いが伝染していっていることを感じます。

これからも継続して開催ができるようにわたくしも応援しています。

著者プロフィール

スタジオラグへおこしやす編集長・ギタリスト

中尾きんや

地元京都です。

バンド活動、PA音響やレコーディングエンジニア、スタジオ店長などを経て、現在は「スタジオラグへおこしやす」の編集長を担当しながら、(株)ラグインターナショナルミュージックの執行役員として日々奮闘中。

最近またスタジオラグ伏見店の店長も兼任しております。

今までは関西を中心に音楽業界にどっぷりな毎日を送っていました。

そこでは楽しさもありつつ、時には苦悩もあり、正直日々試行錯誤な20代でした。

現在は30代半ばですが、若いスタッフとともにここで音楽情報を発信しています。

執筆してくれているのは、現役バンドマンにミュージシャン、全国の音楽講師のみなさん、音楽関係のお仕事されている方やスタジオスタッフに、普段は音楽を専門としない人までさまざまです。

音楽活動のヒント、そして音楽初心者の方へ向けて発信し、多くの世代に読んでいただけるメディアを目指します!

人気音楽雑誌YOUNG GUITARでも執筆経験あり。

趣味はギターと料理とネットサーフィンとか。

好きな音楽は「ギターがかっこいい曲」です。

将来の夢はプライベートスタジオを創ること。

Twitter:kin_kinya

この著者・クリエイターへメッセージを送る

著者の記事一覧

よく一緒に読まれている記事この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます